「フランケンシュタイン」 遺伝子操作、iPS細胞による再生医療、クローン羊の誕生……生命科学の進歩はとどまるところを知りません。人類は生命の設計図すら操作できる能力をもちましたが、その倫理性や危険性を指摘する識者も大勢います。そんな現代の状況を予見するような小説が今から二百年も前に書かれていました。メアリ・シェリー作「フランケンシュタイン」。2月放送の「100分de名著」は、科学の功罪、人間存在の意味を鋭く問うこの作品を取り上げます。 天才的な科学者ヴィクター・フランケンシュタインは科学の粋を集め人造人間の製造に成功します。しかし誕生したのは見るにたえない醜い怪物でした。ヴィクターはそのおぞましさに耐えられず逃げ出します。一人うち捨てられた怪物は、はじめは善良な存在でしたが、いわれない迫害を受け人類への復讐を決意。ヴィクターを取り巻く人々の殺戮を開始します。 この作品は、本来人間を幸福にす