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文学に関するinunohibiのブックマーク (17)

  • 名著41「フランケンシュタイン」:100分 de 名著

    「フランケンシュタイン」 遺伝子操作、iPS細胞による再生医療、クローン羊の誕生……生命科学の進歩はとどまるところを知りません。人類は生命の設計図すら操作できる能力をもちましたが、その倫理性や危険性を指摘する識者も大勢います。そんな現代の状況を予見するような小説が今から二百年も前に書かれていました。メアリ・シェリー作「フランケンシュタイン」。2月放送の「100分de名著」は、科学の功罪、人間存在の意味を鋭く問うこの作品を取り上げます。 天才的な科学者ヴィクター・フランケンシュタインは科学の粋を集め人造人間の製造に成功します。しかし誕生したのは見るにたえない醜い怪物でした。ヴィクターはそのおぞましさに耐えられず逃げ出します。一人うち捨てられた怪物は、はじめは善良な存在でしたが、いわれない迫害を受け人類への復讐を決意。ヴィクターを取り巻く人々の殺戮を開始します。 この作品は、来人間を幸福にす

    名著41「フランケンシュタイン」:100分 de 名著
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    inunohibi
    inunohibi 2022/10/13
    サイレンススズカには「異次元の逃亡者」という異名があるけれど、「逃亡者」って付けるのは、寺山修司が始まりなんかな。寺山が愛した馬の一頭に、「白い逃亡者」ホワイトフォンテン(芦毛の逃げ馬)がいた。
  • 坂口安吾「堕落論」 懊悩自体をポジティブにとらえる|好書好日

    平田オリザが読む 先回の太宰治の項で、かつての文学少年・少女たちは必ず太宰治にはまったものだと書いた。そしてまた一定数の若者たちは、「太宰なんて偽物だ。俺はアンゴだ」と嘯(うそぶ)いたものだった。かく言う私も、そのような文学少年の一人だった。 「半年のうちに世相は変(かわ)った」「若者達(たち)は花と散ったが、同じ彼等(ら)が生き残って闇屋となる」「けなげな心情で男を送った女達も半年の月日のうちに夫君の位牌(いはい)にぬかずくことも事務的になるばかりであろうし、やがて新たな面影を胸に宿すのも遠い日のことではない。人間が変ったのではない。人間は元来そういうものであり、変ったのは世相の上皮だけのことだ」 作の発表は一九四六年四月。敗戦後、それまでのモラルが崩壊していくことに呆然(ぼうぜん)とする日人たちに「戦争に負けたから堕(お)ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから

    坂口安吾「堕落論」 懊悩自体をポジティブにとらえる|好書好日
    inunohibi
    inunohibi 2022/03/11
    ”敗戦後、それまでのモラルが崩壊していくことに呆然(ぼうぜん)とする日本人たちに「戦争に負けたから堕(お)ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ」と喝破した。”
  • ノーベル文学賞にグルナ氏 タンザニア生まれ イギリスで活動 | NHKニュース

    ことしのノーベル文学賞に、アフリカ・タンザニア出身の作家、アブドゥルラザク・グルナ氏が選ばれました。 スウェーデンのストックホルムにある選考委員会は、日時間の午後8時すぎ、ことしのノーベル文学賞の受賞者に、アフリカ・タンザニアの出身でイギリスで活動する作家、アブドゥルラザク・グルナ氏を選んだと発表しました。 グルナ氏は1948年に当時イギリスの保護領だったタンザニアのザンジバル島で生まれ、1960年代に難民としてイギリスに渡りました。 そして21歳の時に執筆活動をはじめ、アフリカを舞台にした作品や、イギリスで人種差別などの過酷な環境に置かれる難民の姿を描いた作品を数多く発表してきました。 また、最近までイギリスのケント大学で教授を務めていました。 ノーベル賞の選考委員会は「植民地主義の影響と、難民の運命への妥協のない、思いやりを持った洞察力を評価した」としています。 「植民地の記憶を世界

    ノーベル文学賞にグルナ氏 タンザニア生まれ イギリスで活動 | NHKニュース
    inunohibi
    inunohibi 2021/10/07
    …というわけで、期待されていた村上春樹氏は、今年も受賞を逃しました。(もう許してやれよ)
  • 海外版『星のカービィ』公式サイトにカフカ『変身』のテキストが出現。不条理文学の代表作が突如登場するミステリーにファンがざわつく

    Nintendo of Americaが運営する『星のカービィ』の海外版公式サイトに8月12日(木)、作家のフランツ・カフカによる小説『変身』の冒頭の文章が突如記載された。すぐに削除され現在は改められているものの、シリーズの世界観と大きくかけ離れた不条理なテキストの出現が波紋を呼んでいる。 (画像は新潮社より) 公式サイトの不審な動きを察知したのは、海外フォーラムサイト「Reddit」ユーザーのUnknownRedditDude2氏。『星のカービィ』のコミュニティページに画像を投稿した氏は、同シリーズの新たな発表が近いのではないかと指摘。だが、サイトの更新情報よりもページに記されたダミーテキストが意外な形で注目を集めた。 [deleted by user] by inKirby 仮組み中に誤って公開されたと思しきページに記載されていたのは、チェコ出身のドイツ語作家、フランツ・カフカの代表作

    海外版『星のカービィ』公式サイトにカフカ『変身』のテキストが出現。不条理文学の代表作が突如登場するミステリーにファンがざわつく
  • 北村紗衣さん「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」インタビュー 目からうろこのフェミニスト批評集|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 北村紗衣(きたむら・さえ)武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授 1983年、北海道士別市生まれ。専門はシェイクスピア、フェミニスト批評、舞台芸術史。東京大学の表象文化論にて学士号・修士号を取得後、2013年にキングズ・カレッジ・ロンドンにて博士号取得。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち──近世の観劇と読書』 (白水社、2018)、訳書にキャトリン・モラン『女になる方法──ロックンロールな13歳のフェミニスト成長記』(青土社、2018)など。 傑作とされる古典がつまらなかった ――フェミニスト批評とは何でしょう? フェミニスト批評はこれまでの批評が実は男子文化だったことに立脚しています。つまり、批評の歴史を振り返ると、男性中心的な社会の中で、男性向けに作られたものを男性の視点で読む。それが普遍的な解釈だとされてきました。 日の近代文学もそうで、たとえ

    北村紗衣さん「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」インタビュー 目からうろこのフェミニスト批評集|好書好日
    inunohibi
    inunohibi 2021/07/16
    ”本書でも性表現はその時々の社会通念によって左右されるとしています。たとえば、現代日本では「性欲は男の本能なので抑制できない」などと言われることがありますが、こうした性差についての考え方は歴史的に~”
  • 小林多喜二「蟹工船」 現代に通じる過酷な労働|好書好日

    平田オリザが読む 十九世紀末に産声を上げた日の近代文学は、一九○○年代にほぼ完成を見て、大正期には爛熟(らんじゅく)の時を迎えた。一方、日国は第一次世界大戦で漁夫の利を得て一等国の仲間入りをしたが、分断が進み社会の不安は増大するばかりだった。度重なる戦争は国民に大きな負担を課したが、しかしその恩恵は一部の者にしか行き渡らない。 大正デモクラシーが幾多の分裂の後に共産主義運動、地下活動へと変容していくように、白樺派に代表される大正文学の人道主義もプロレタリア文学へと形を変えていった。小林多喜二の「蟹工船(かにこうせん)」は、その代表的な作品だ。 作では、北洋の蟹漁の船内の過酷な労働と、その労働者たちが団結に目覚める過程が、生き生きとした描写で描かれる。東北の農家の次男、三男を中心に北日い詰め者たちが、目先の賃金に吸い寄せられるように集められ、北の海の地獄へと送り出される。命の値段

    小林多喜二「蟹工船」 現代に通じる過酷な労働|好書好日
    inunohibi
    inunohibi 2021/07/08
    ”蟹工船とは文字通り「工船」であるから航海法は適用されない。と同時に純然たる工場でもないから工場法も適用されない。いまで言えば歪(ゆが)んだ経済特区のような空間で、資本家は搾取し放題となる。”
  • チェーホフ「三人姉妹」 叶わなくとも未来は開く|好書好日

    桜庭一樹が読む わたしたちの人生は何でできてるんだろう? 勇気を出して一歩踏み出し、新しい扉を開いた経験? でも、実はそれと同じぐらい、怖気(おじけ)付いて実行できなかったことからもできてるんじゃないだろうか。後々振り返れば、きっとみんなそう……。 今作の主人公は、ロシア田舎町でひっそり暮らす没落貴族の三姉妹。いつか故郷モスクワでの華やかな暮らしを取り戻そうと願っているが、何か大きな力が都会に連れ去ってくれることもなく、己の力で町を飛び出すこともできず。静かな絶望の前で立ち竦(すく)むばかり……。 著者は農奴解放前年の一八六〇年生まれ。父方の祖父は農奴だった。医学生の傍ら、家族の生活費のために新聞にユーモア小説を発表していたが、文壇の重鎮から激励の手紙をもらい、一念発起。格的に文筆家を目指す。三十歳の時、流刑地サハリンに渡り、悲惨な実態のルポを書き、高く評価される。以降、閉ざされた空間

    チェーホフ「三人姉妹」 叶わなくとも未来は開く|好書好日
  • 現代版山月記『東大卒エリート官僚コースを蹴り作家業に転向するも鳴かず飛ばずでTwitterで暴れていたら旧友にアカウント特定されてしまう話』になりそう

    坂之上田村フレンズ @pokitasu 山月記の李徴子、現代日だったら東大卒エリート官僚コースを蹴って作家業に転向するも、鳴かず飛ばずで憤晴らしにTwitterアカウントで虎のように暴れてたら昔のリア友にアカウント特定されて、一瞬正気に戻ったけどもう堅気には戻れないとかそういう話になりそう(闇のインターネット 2021-06-24 09:57:40 リンク Wikipedia 山月記 『山月記』(さんげつき)は、中島敦の短編小説。1942年(昭和17年)に発表された中島のデビュー作である。唐代、詩人となる望みに敗れて虎になってしまった男・李徴が、自分の数奇な運命を友人の袁傪に語るという変身譚であり、清朝の説話集『唐人説薈』中の「人虎伝」(李景亮の作とされる)が素材になっている。『山月記』の題名は、虎に変わった李徴が吟じる詩の一節「此夕渓山対明月」から取られている。 初出時は、他1篇「文

    現代版山月記『東大卒エリート官僚コースを蹴り作家業に転向するも鳴かず飛ばずでTwitterで暴れていたら旧友にアカウント特定されてしまう話』になりそう
  • 夏目漱石『吾輩は猫である』 - 紙屋研究所

    リモート読書会は夏目漱石『吾輩はである』だった。 吾輩はである 作者:夏目 漱石 Amazon この超有名な小説、ぼくは読んだことがなかった。 つーか、中学生、高校生時代に何度か読もうとして途中で挫折している。 「面白くなかった」からである。 11章あるけども、1章を終わらないうちにダメになってしまっていた。 ぼくは「自分では読みそうにない・読み終えそうにない、有名な小説」を読みたいというのがこの読書会への参加動機だったので、このセレクトは願ってもないことだった。『ペスト』などもそうである。 そして読み終えた。 なるほど、こういう小説であったか! ぼくは、とにかく「朗読すべき文章」としての心地よさに強い印象を受けた。 例えば、次のような文章(のセリフ)は、リズムとしても気持ちがいいし、文章の内容としても「愚行権」の称揚になっていて小気味いい。 何のために、かくまで足繁く金田邸へ通うの

    夏目漱石『吾輩は猫である』 - 紙屋研究所
  • ゴーゴリ「外套」 自我むき出しの恐怖と絶望|好書好日

    桜庭一樹が読む 二〇二〇年大晦日(おおみそか)の午後二時過ぎ、“東京都の一日の新型コロナ感染者数がいきなり千三百人台になった”というニュースが流れたころ。我が家に冷凍の毛蟹(けがに)が届いた。途端に心が不安から高揚へと移行し、もういい大人なのに「我“蟹を持ちし者”なりぃっ!」としつこく言ったり、道を歩いても「あの人はきっと蟹を持ってないだろう」などと思ったりし始め、送ってくれた知人も「えー、そこまで喜ばれるとは。日海育ちの人は蟹が大好きなんですね?」と驚いていた。ストレスで弱まって剥(む)き出しになったわたしの自我の皮膚が、うまそうな朱色の蟹の外殻に覆われていき、あの日のわたしはまさに一人の、いや、一杯の蟹人間であった。 ところで、今日ご紹介する作品は、あのドストエフスキーをして「われわれは皆ゴーゴリの『外套(がいとう)』の中から生まれた」と言わしめる、ロシア文学史上最も重要で、同時にヘ

    ゴーゴリ「外套」 自我むき出しの恐怖と絶望|好書好日
  • 今週の本棚:沼野充義・評 『現代の英雄』=レールモントフ・著、高橋知之・訳 | 毎日新聞

    (光文社古典新訳文庫・1166円) よみがえったロシアの原石 最近めざましいロシア文学の「古典新訳」の機運の中で、一人言わば取り残されたようになっていた文学者がいる。レールモントフだ。彼は十九世紀初頭に、プーシキンを継いで現れた反逆精神たくましいロマン派的な気質の詩人だが、小説家としても『現代の英雄』一作でロシア近代小説の決定的な出発点を築いた。評者自身今回の清新な訳で久しぶりに再読して痛感したのだが、小振りな小説ながら、精緻な文体によって語られる物語は魅力的で、図体(ずうたい)が大きいだけに冗長になるきらいもあるドストエフスキーやトルストイの怪物的長編に比べても、文学的な価値において引けをとらない。 『現代の英雄』には、書の主人公ペチョーリン自身が書いた手記から「タマーニ」「公爵令嬢メリー」「運命論者」の三編の他に、語り手の「私」と、ペチョーリンのかつての同僚による語りが交錯し、全五編

    今週の本棚:沼野充義・評 『現代の英雄』=レールモントフ・著、高橋知之・訳 | 毎日新聞
    inunohibi
    inunohibi 2020/11/28
    ”彼は十九世紀初頭に、プーシキンを継いで現れた反逆精神たくましいロマン派的な気質の詩人だが、小説家としても『現代の英雄』一作でロシア近代小説の決定的な出発点を築いた。”
  • 「暴君」書評 無法で無能な統治者は自滅する|好書好日

    暴君 シェイクスピアの政治学 (岩波新書 新赤版) 著者:河合祥一郎 出版社:岩波書店 ジャンル:新書・選書・ブックレット 暴君 シェイクスピアの政治学 [著]スティーブン・グリーンブラット 「混乱の時代に頭角を現し、最も卑しい能に訴え、同時代人の深い不安を利用する人物」、それが暴君だ。「統治者としてふさわしくない指導者、危険なまでに衝動的で、邪悪なまでに狡猾(こうかつ)で、真実を踏みにじるような人物」であるにもかかわらず、国全体がそのような暴君の手に落ちてしまう。暴君はあからさまな嘘(うそ)をつくが、いくら反論されても押し通し、最後は人々もそれを受け入れてしまう。ナルシシストである暴君は法を憎み、法を破ることに喜びを感じる。 これは現代の話ではない。『マクベス』や『リア王』、『ジュリアス・シーザー』などの作品に登場する暴君たちの描写を分析する、シェイクスピア研究の世界的権威の著作の一節

    「暴君」書評 無法で無能な統治者は自滅する|好書好日
    inunohibi
    inunohibi 2020/11/15
    菅総理が任命拒否した渦中の宇野重規先生が書評。 ”暴君はあからさまな嘘(うそ)をつくが、いくら反論されても押し通し、最後は人々もそれを受け入れてしまう。”
  • ディケンズ「デイヴィッド・コパフィールド」 多彩な登場人物「国民的」に|好書好日

    桜庭一樹が読む 今作の登場人物ほど、欧米のドラマや映画で言及されがちな人々もいなかろう。日でいうところの『忠臣蔵』の人物や戦国武将みたいに、例え話で名前を出せばツーカーで伝わる“国民的人物”たちなのだ。 とはいえ実は、わたしは長いこと未読で、人生の課題の一つとなっていた……。 舞台は十九世紀のヴィクトリア朝ロンドン。健気(けなげ)な孤児デイヴィッドが、苦労の幼年時代、恋と友情の青年時代を経て、作家として大成する姿を描く、堂々たる自伝的大河小説である。 黒霧に覆われたバビロン的都市の、上品な上流社会から下層社会までを、物語は自在に疾走する。全ての人間がここに存在すると言っていいぐらい多彩な者どもが入り乱れる。善人も悪人もいるが、誰の資質も、業の深さからどうしようもなく生まれてしまったもので、作者から深く赦(ゆる)されている。この時代の小説には宗教的教訓を教えるものが多いらしいので、ディケ

    ディケンズ「デイヴィッド・コパフィールド」 多彩な登場人物「国民的」に|好書好日
  • 映画『82年生まれ、キム・ジヨン』 - 紙屋研究所

    映画のネタバレが少しあります) リモート読書会の題材となったので、石牟礼道子『苦海浄土』を初めて読んだ。恥ずかしながらそれまで一度も読んだことはなかったのである。 新装版 苦海浄土 (講談社文庫) 作者:石牟礼 道子 発売日: 2004/07/15 メディア: 文庫 なんの知識もなく読んだが、途中から違和感を抱いた。 これは当に誰かがしゃべったことなんだろうか? そしてその「聞き書き」なんだろうか? 江津野杢太郞という9歳の水俣病患者の家族を記したところで、その祖父、爺さまがとともに漁をすることを語る次のような言葉を読んだ時にそう感じた。 あねさん、魚は天のくれらすもんでござす。天のくれらすもんを、ただで、わが要ると思うしことって、その日を暮らす。 これより上の栄華のどこにゆけばあろうかい。 寒うもなか、まだ灼け焦げるように暑うもなか夏のはじめの朝の、海の上でござすで。水俣の方も島原

    映画『82年生まれ、キム・ジヨン』 - 紙屋研究所
  • 「ジョージ・オーウェル」 多様な目線が磨いた自己嘲笑力 朝日新聞書評から|好書好日

    ジョージ・オーウェル 「人間らしさ」への讃歌 (岩波新書 新赤版) 著者:川端康雄 出版社:岩波書店 ジャンル:新書・選書・ブックレット ジョージ・オーウェル 「人間らしさ」への讃歌 [著]川端康雄 オーウェルの代表作『動物農場』や『一九八四年』で描かれた暗い未来はもう私たちの現在だ、と世界各地で叫ばれて久しい。特定秘密保護法から改正組織的犯罪処罰法までを前政権が成立させてきたこの国も、むろん例外ではない。 『動物農場』。農場主が動物たちを飢えさせ虐待するので、動物たちは決起し、農場の自主管理をもぎ取る。が、リーダーの豚たちは変質し「すべての動物は平等である」という憲法の条文に「しかしある動物はほかの動物よりももっと平等である」という文言を加える。粛清も言論統制も実行される。 『一九八四年』。神格化された指導者が支配するオセアニア国は一党独裁下にある。「思考を狭(せば)め」、異議申し立ての

    「ジョージ・オーウェル」 多様な目線が磨いた自己嘲笑力 朝日新聞書評から|好書好日
    inunohibi
    inunohibi 2020/10/12
    "自身から拭い難いエリート性を拭い落とそうともがくオーウェルの自己嘲笑力と階級社会の欺瞞(ぎまん)の描写力は、そういった多様な目線によって、時間をかけて研磨されたものだったのだ。"
  • 今週の本棚・なつかしい一冊:土屋賢二・選 『白痴』=ドストエフスキー作、木村浩・訳 | 毎日新聞

    (新潮文庫 上巻1100円、下巻1045円) (※河出文庫、光文社古典、新訳文庫などからも刊行) 人生を決めたのは、大学入学後、寮で過ごした一年間だった。寮生たちは授業に出ない、風呂に入らない、平気で規則を破る、試験前は徹夜で麻雀(マージャン)する、平然と留年する。こんな魅力的な生活態度に染まらない人はいないだろう。これで、疑いもしなかった価値観が完全に崩れた。 だが、価値観を根こそぎ破壊したのは読書だ。手当たり次第に読み漁(あさ)っていたとき、出会ったのが書だ。衝撃だった。恋愛小説だと思って読んでいたら、異様な人物の常識を絶した行動の連続だ。ドストエフスキーが見ていた人間の底知れなさがものすごい迫力で伝わってきた。

    今週の本棚・なつかしい一冊:土屋賢二・選 『白痴』=ドストエフスキー作、木村浩・訳 | 毎日新聞
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