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外国人観光客向けの観光地として東京・築地の卸売市場はもはや定番になった感がある。ただ、日本人でもどのようなルートをたどって築地まで魚が届くのかを知らない人も多いのではないだろうか。というのも、魚が消費者に届くまでのルートはかなり複雑だからだ。 消費者にまで届くには、(1)漁業者、(2)漁協、(3)産地仲買人、(4)荷受、(5)仲卸、(6)小売店を経なくてはならない。築地はこのうち(4)と(5)が取引をする場所(消費地卸売市場)ということになる。日本全国にはこういう市場が300ほど存在している。 シンプルに考えれば、こんなややこしいルートをたどらず、できるだけ漁業者と消費者の間をショートカットしたほうが良さそうにも思えるのだが、実はこの複雑さが、日本人の誇る魚食文化を支えているのだという。 鹿児島大学水産学部教授の佐野雅昭氏は、『日本人が知らない漁業の大問題』で、「複雑すぎる流通には理由があ
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