週刊ダイヤモンド編集部 【第345回】 2009年06月30日 「貴金属」が輸出第1位に トルコ経済“変貌”の真相 トルコの2009年第1四半期(1~3月)の貿易統計に、関係者が首を傾げている。品目別輸出額で、貴金属が1位になったのだ。04年から08年末まで輸出の首位は自動車および同部品であり、08年通年では貴金属は8位にすぎなかった。貴金属輸出の内訳は、ほとんど「金」で、スイス向けが66%を占める(数量ベース)。これにより、輸出相手国第1位も、ドイツからスイスとなった。 背景には、まず輸出全体の低迷がある。主要輸出先である欧州の景気後退の影響が直撃し、自動車および同部品は前年同期比54%減。他の輸出品目も軒並み20~30%の減だ。そのなかで、貴金属だけが49%もの増となった。「トルコはもともと金製品の世界的加工基地の一つであり、金現物の輸入が活発だが、昨年末以降の金価格上昇で一般投資