人間が生きるためには、水が必要だ。ただ、残念ながら世界中の人々がクリーンな飲み水を口にできているわけではない。都市から遠く離れた地域や、電気も通らない未開の地域では、熱処理や消毒といった方法を取れないことも多い。 太陽光で蒸気を発生させる、特殊なスポンジ構造 マサチューセッツ工科大学のDepartment of Mechanical Engineeringに所属するHadi Ghasemi氏らの研究チームでは、黒鉛と泡状炭素から成る特殊なスポンジを用いて太陽光発電をおこない、蒸気を発生させるという研究を進めている。 研究チームでは、水を吸い込み、水面から蒸気を発生する、特殊な構造を発見した。スポンジは黒鉛と泡状炭素の2層構造になっている。上側の層は、7秒間マイクロ波にさらされて膨張、発泡化した黒鉛でできている。下側の層は、空気を含んだ泡状炭素から成り、これのおかげでスポンジが水に浮かぶこと