Night Tempoの“オフィシャルFuture Funk”がもたらす、ポップカルチャーへの批評的な視座 2010年代のインターネットカルチャーを代表する音楽であるvaporwave。短い歴史のなかでも様々なスタイルが混在するジャンルなのでひとことでまとめてしまうのはやや乱暴だが、70年代末から80年代のポップミュージックを無造作にスローダウン&ループ(ヒップホップの用語を借りてチョップド&スクリュードと呼んだりもする)させた特徴的なサウンドは、ノスタルジーと薄ら寒い空虚さをないまぜにした独特の魅力を放っている。一方、vaporwaveから派生した数々のサブジャンルのなかでもFuture Funkは別格にキャッチーでポップだ。AORやシティポップを主な元ネタとした、カットアップ感覚あふれるフレンチタッチのフィルターハウスのサウンドは、ダンスフロアでもベッドルームでもよく映える。アートワー