以前尊敬する写真家にインスピレーションの源として何が一番良いのかと訊ねたことがある。 答えは「本」だった。 というのも、撮影を継続するにあたっては多くの引き出し、ストーリーを持ち合わせておきたい。 ともすれば足繁く街に通い、撮影を行ってもそれはマンネリ化を避けられない。 そこを克服してこその撮影活動なのだけれども、それでもノーアイデアで撮るようになれば、自身が一番面白くなくなるだろう。 ノーアイデアで撮影を行うようになると、放って置くと撮り手はついつい被写体に寄ったばかりの写真になってしまうそうだ。 寄ればそれなりにインパクトがあるのではないか、なんかすごいのではないかという錯覚が撮り手にはここで生ずるのだけれどもそんなことはない。 読み手は、延々と続く寄りの写真に最初こそは反応するけれどあとは飽きてしまう。 勿論、寄りこそ命、それが自身のテーマだというのであれば話は別だけれども、一般的に