「チンピラの面倒はヤクザしか見れん。これは“臭いものにフタ”に過ぎんでしょう」 こうため息を漏らすのは、福岡県にある某指定暴力団二次団体の幹部・X氏。福岡県といえば、公安委員会が指定する「指定暴力団」の数が最多であり、全国で唯一「特定危険指定暴力団」に指定された工藤會(北九州市)を擁する、まさに“修羅の国”である。当然、福岡県警もそんな現状を黙って見過ごすはずもなく、全国に先駆けて暴力団員の脱退を促す取り組みを始めた。先輩暴力団員からの報復防止や新たな就職先の斡旋を警察が行うという、一見画期的な取り組みにも見えるが……。 ◆福岡県、組織を辞めたダメヤクザのその後とは… 昨年までX氏の舎弟だった中野氏(仮名・29歳)は、大分県内の高校を中退後、ガソリンスタンドのアルバイトを続けていたが、先輩の手伝いとして「偽ブランド品販売」や「パチンコの打ち子」といった違法行為に手を染め始めると、気が