国内に流通する衣料品は、輸入品の割合が98.5%(日本繊維輸入組合統計)を占め、国産品は1.5%ほどしかない。このまま「日本製」の服は消えてしまうのか。ジャーナリストの座安あきのさんによる連載「巨人に挑む商人たち」。第2回は「ユニクロ、ワコールが手を出せない『島崎』の国産技術」――。 「ずっとかゆみに苦しんでいた」人生を変える下着 「スリップ」や「シミーズ」と聞いて、懐かしいと感じるあなたはおそらく40代以上だろう。ファッションに流行り廃りがあるように、ブラジャーやショーツなどインナーも時代とともに求められる形や機能が変化してきた。一方で、「いかに安く作るか」に力点が置かれるようになった生産現場は、淘汰の波にさらされるようになった。 埼玉県秩父市に本社を置く創業72年の島崎はかつてスリップなど女性用下着の大量生産を主力としていたところから、ユニクロもワコールも手が出せない「困りごとに寄り添
