何百万人という人々が幾度も頭を抱えた「ルービックキューブ」。1980年代に世界中を席巻し,私たちを虜にした魅惑的なパズルだ。ルービックキューブを知らない人や1980年代を知らない人のために簡単に説明しておこう。ルービックキューブとは27個の小さい立方体(キュービー)が全体のキューブの1辺に3個ずつ並ぶよう積み重なってできたプラスチック製の玩具だ。全体のキューブが持つ6つの正方形の各面は,はっきりした6色に塗り分けられている。典型的には,青,緑,橙,赤,黄,白だ。 キュービーがただ積み重なっただけのように見えるが,その見せかけに惑わされてはならない。ルービックキューブに潜む独創的な仕組みは,1974年にハンガリー人の教師,ルービック(ErnÖ Rubik)が発明したものだ(これとは別に,日本人の石毛照敏(いしげ・てるとし)氏が特許を取得している)。 ルービックキューブやルービック多面体,その