地図のパーソナライゼーション、「いま・ここ」の多層化、航空写真やストリートビュー、データベース化......これらの特長をもつグーグルマップは、都市や社会を認識する枠組みにどのような影響を与えているのだろうか。本対談では、社会学の観点から地図を研究してきた若林幹夫氏と、『グーグルマップの社会学──ググられる地図の正体』(光文社、2016)を上梓した松岡慧祐氏をむかえ、グーグルマップ以降の地図の想像力のあり方を議論する。 〈地図〉から〈マップ〉へ──物語性をめぐって 若林幹夫氏 若林幹夫──『増補 地図の想像力』(河出文庫、2009)のもとになった『地図の想像力』(講談社、1995)はいまから20年前に書いた本です。私は都市論やメディア論の仕事は一貫してやってきましたが、それ以外はその都度関心が向いたことをやるという仕事のスタイルなので、最近は地図について集中して考える機会がなかったのですが
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