今年の4月に大学で研究室を構えてから、久しぶりに大量の本を日常的に購入する生活に戻った。そして、気づいたら新刊よりも昔の本のほうにのめり込んでいる。たとえば、直近で深く読み解いた本は、1928年にパリで刊行された九鬼周造の『Propos sur le Temps』だ。長い時間を経て、多くの論者のフィードバックを受けることで、古い本は発酵していく。九鬼の本にしても、同時代のベルクソンやハイデッガーの考えに触発されながら、東洋的時間の深度にダイブしている。 私もまた、直観に従って好奇心を走らせてみたら、いつのまにか比較言語学から20世紀中葉のインタフェース研究まで、長い時間の尺度を行き来するようになった。去年よりJST/RISTEXの「人と情報のエコシステム」領域で、「日本的Wellbeingを促進する情報技術のためのガイドラインの策定と普及」プロジェクトに参加し、日本の社会文化となじみの良い
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