→紀伊國屋書店で購入 「東大って、やっぱりダメなの?」 オックスフォード大学との比較を通し、日本の大学、とくに東大を批判する――たいへんわかりやすい図式だと思う人もいるかもしれないが、ややトーンの変わる第三部に至って、語ろうとする内容をはみ出さんばかりに横溢する著者の熱意に打たれる。筆者自身にとっても生々しい問題なので、今回は多少書評の枠をこえて末尾で私見も述べたいと思う。ともかく、まずは本の紹介から。 本書は三部構成からなる。第一部はオックスフォードに専任教員として赴任した著者のカルチャーショックを描いた一種の「旅行記」と考えればいい。ただし、『ガリヴァー旅行記』のようなものとちがって視線はまっすぐというか、珍妙なものをおもしろおかしく描くというよりは、まじめで、建設的である。 なかなかこうはいかない。オックスフォードやケンブリッジの大学システムというのは、はじめて見る人にとってはどうし
![『イギリスの大学・ニッポンの大学 ― カレッジ、チュートリアル、エリート教育』苅谷剛彦(中公新書ラクレ) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1542b25060bb2d1b7f96d7ea0042856fe2c07dbb/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FK%2FKinokuniya%2F20180502%2F20180502201655.jpg)