プ・ジヨン監督「私たちの共感力を考えながら作った」映画「カート」で忘れてはならない主体がいる。労働者、特に法律や制度の保護から相対的に疎外されている非正規労働者である。興味深いのは、この作品が韓国で実際に起きた労働者の痛みを題材にしながらも商業映画としての形式を取っているところである。 しかも、“女性労働者”である。プ・ジヨン監督がこれまで韓国映画であまり取り扱われたことのない女性集団のストーリーに挑戦したのは色々な意味で我々には幸運ではないだろうか。ソウル国際女性映画祭、東京国際女性映画祭等に女性を題材にした作品を出品し、一貫した歩みを見せてきた彼女である。制作会社ミョンフィルムが「カート」のメガホンを取る監督を探していた時、これまで商業映画を演出した経験のなかったプ・ジヨン監督に出会えたのも、女性労働者の問題をうまく表現できる人物であることを見抜いたためである。 大手スーパーマーケット