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地政学に関するiroenpituのブックマーク (24)

  • 地政学を英国で学ぶ : ブレvsミア:その1

    ↑新刊:戦略の格言↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。巨人の衝突 二〇〇五年 一月 中国はミサイルよりも金をかせぐことのほうに興味があるのだろうか?アメリカは過去にソ連を封じ込めたように、中国も封じ込めようとするだろうか?稿では、戦略国際問題研究所顧問のズビグネフ・ブレジンスキーと、シカゴ大学教授のジョン・ミアシャイマーに、将来この二つの大国は争い合う運命にあるのかどうかについて、直接対決による論戦を行ってもらった。 戦争を行うのではなく、金を稼げ――ブレジンスキーの主張 今日の東アジアにおいて、中国はとりあえず現在のところまで平和的に発展している。ところが我々もすでによく知っているように、彼らは自分たちの歴史の一部に憤りや屈辱を感じている。中国においてナショナリズムが持つ力はかなり重要であり、外的な問題、特に台湾に関して、彼らは大きな不満を持っている。それでも米中間の紛争が不

  • 地政学を英国で学ぶ : ブレvsミア:その3

    ↑新刊:戦略の格言↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。核兵器が全てを変えた――ブレジンスキーの反論 時には学者でもある私は、理論の持つ力には一定の理解を示しているつもりだ。しかし(少なくとも国際関係論の)理論というものは、質的に「後付け」の理論である。つまり、ある理論に一致しないような出来事が起こっても、その理論は(否定されるのではなく)単に修正されて行くだけなのだ。そして私はアメリカ中国の関係にもこれが当てはまるのではないかと疑っている。 我々は、覇権国が互いを社会的に消滅させることなく戦争に突入できた時代とは非常に異なる時代に生きている。すでに米ソ間の競争によって明らかになったように、「核の時代」というのは力の政治を変化させてしまったからだ。冷戦時代のにらみ合いの中で正面衝突が避けられてきたのは、戦争がエスカレートしていくプロセスの中に「社会の完全消滅」ということを組み込むこ

  • ルパート・スミスの戦略の教訓 | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部はまるで台風一過のような素晴らしい秋晴れの空だったのですが、気温が一気に下がりましてけっこう寒かったです。 さて、実は今日は学校で開催されたセミナーにスペシャルゲストが来ましたのでその内容の報告を。 今回のゲストは、なんとあのルパート・スミスとヒュー・ストローン。 と言っても「知る人ぞ知る」という感じなので簡単に紹介すると、スミス氏はNATO軍のNo2も務めたイギリス陸軍の元将軍でして、戦略学の学徒たちには The Utility of Force: The Art of War in the Modern World というで有名です。これは『名著で読む戦争論50冊』の中の一冊にも選ばれてますね。 ブログでもたしか二年くらい前のエントリーに彼の講演についての内容を書いたと思います。 そしてもう一人のヒュー・ストローン氏は、第一次世界大戦史の世界的権威でありまして、現

    ルパート・スミスの戦略の教訓 | 地政学を英国で学んだ
  • 「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その6.5/7 | 地政学を英国で学んだ

    アメリカの核戦略というのは、ソ連を打ち負かすことや、アメリカの生き残りを狙ってよく計算されて作られたものではない。むしろそれはソ連を、段階的に段々と厳しく処罰することができるように狙われたものである。 現在のアメリカの目標選別の背後にある哲学は一九六〇年代に流行していたものを見かけ上だけ発展させたものだ。その理由は、主にアメリカの防衛計画者たちが自分たちの攻撃計画の中に「アメリカが受ける被害」というものを含めて考慮していなかったことにある。弾道ミサイル防衛や民間防衛の戦略というのは、ここ十年ほど全く考慮されていない。 アメリカは一九七〇年代後半に、戦争を支持するための産業や経済回復に重要となるソ連の広範囲にわたる経済基盤を攻撃目標とすることを決定した。ところがこの目標選別の理由づけというのはまだ弱い。なぜなら戦争を支持するための産業の重要性というのは、それが長期戦になった場合か、戦後の国防

    「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その6.5/7 | 地政学を英国で学んだ
  • 「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その6/7 | 地政学を英国で学んだ

    さらにいえば、「望ましい抑止効果」というのは、おそらくソ連側が行う包括的な核作戦の分析にも左右されるものであろう。これをいいかえれば、ソ連の指導者たちはアメリカの限定核オプションを使うという「意志」よりも、アメリカの具体的な「勝利戦略」のほうを恐れるはずだ、ということだ。このような戦略には、ソ連という国家の消滅までも視野に入れたものでなければならない。 アメリカはソ連を打ち負かすことを計画しなければならないのだが、それはその後のアメリカの復興を妨げるような、コストのかかるものであってはいけないのだ。ワシントンの戦争の狙いは、最終手段としてソ連の政治システムを破壊することや、その後の世界秩序が西洋の価値観と合うようなものにすることでなければいけない。 ソ連が最も恐れる脅威は、その政治システムの破壊やその機能に対する重大な損害であろう。したがって、アメリカはソ連のリーダーシップの中枢や、彼らの

    「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その6/7 | 地政学を英国で学んだ
  • 「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その4/7 | 地政学を英国で学んだ

    ところがアメリカ政府は、このような政策が抑止を強化するという事実があるにもかかわらず、抑止が失敗した場合の実際の核戦争の戦い方について真剣に計画をしているようには見えない。たとえば確証破壊の理由づけについては、公式には「戦略ドクトリン」としては不十分であると主張されている。 ところがソ連の確証破壊能力は、アメリカ政府の戦略防衛の無関心の結果として引き続きそのまま残っているのであり、これはアメリカが機能麻痺に陥る可能性を秘めていることを示している。つまり標的選別計画というのは、それがどんなによく計画された理路整然としたものであっても、敵が報復によってアメリカ社会にダメージを与えることができるようなものである場合には全く使い物にならないことが証明されてしまう可能性が高いのだ。 現在、戦略に関する政策の四つの分野——戦略、兵器の開発と獲得、軍備管理、そして防衛ドクトリン——というのは、それぞれ別

    「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その4/7 | 地政学を英国で学んだ
  • 「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その2/7 | 地政学を英国で学んだ

    土防衛は激しい軍拡競争を生み出し、戦略のバランスを不安定化させることになる」と考える人は多いため、アメリカの国防コミュニティーは自己抑止の可能性を最大化するような態度をとることを是認している。しかし拡大したアメリカの抑止の信頼性は、「アメリカの大統領は海外の同盟国を守るためには核のエスカレーションも辞さない覚悟だ」と考えるソ連側の考えに左右されているのだ。 アメリカは一九六〇年代後半に「戦略(核兵器の)均衡」(strategic parity)というコンセプトを、それがアメリカの核の傘の信頼性にとってどのような意味を持つのかをあまり考えずに採用している。「均衡のための条件」や「必須の等価」というのは、拡大抑止の義務とは相容れないものだ。なぜならそのような戦略的状況にはそもそも自己抑止が組み込まれているものだからだ。ところが「均衡」というものが実際に示しているのは、アメリカの致命的な利益

    「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その2/7 | 地政学を英国で学んだ
  • 「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その3/7 | 地政学を英国で学んだ

    「全面核戦争というのは、それがもたらす破壊規模があまりにも甚大で深刻であり、どのような政治目標でも矮小化してしまうため、何かの政治目的のためにそれを戦うというのは不可能だ」と信じる人々は、首尾一貫した論理的な政治ポジションをつくりあげることができる。彼らは核戦争が国家の歴史の終わりになり、核戦争を起こすような脅しは自滅のための脅しと同じであり、したがって信頼性に欠けるものだ、と論じるのだ。 ところが彼らは一方で核兵器を根絶できないことも認めている。彼らは敵の計算違いが絶望的な結末を生み、当に非合理的な行動というのは常に起こりうるのであり、そして紛争は制御不能なものになる可能性があったとしても、その脅威が十分に深刻なものでない限りは、どんな途方もないような脅威でも抑止することができる、と信じているのだ。 一九七〇年代のアメリカの国防コミュニティーではこのような抑止理論は否定されていた。とこ

    「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その3/7 | 地政学を英国で学んだ
  • ロバート・カプランの「地政学論」 | 地政学を英国で学んだ

    あのロバート・カプランが、とうとうリアリズムと地政学の重要性について書いてくれました。これは個人的にはとても嬉しい論文です(笑 タイトルはずばり「地理の復讐」です。 ==== The Revenge of Geography By Robert D. Kaplan May/June 2009 People and ideas influence events, but geography largely determines them, now more than ever. To understand the coming struggles, it’s time to dust off the Victorian thinkers who knew the physical world best. A journalist who has covered the ends of the

    ロバート・カプランの「地政学論」 | 地政学を英国で学んだ
  • 地政学を英国で学ぶ : 戦略文化:その8 まとめ

  • 地政学を英国で学ぶ : 戦略文化:その7 普遍性は?

  • 地政学を英国で学ぶ : 戦略文化:その5 課題

  • 地政学を英国で学ぶ : 戦略文化:その6 継続・変化

  • 戦略文化:その4(コンスト) | 地政学を英国で学んだ

    コンストラクティビズムと戦略文化 一九九〇年代にはコンストラクティビズム(constructivism)の影響によって新しい研究(「第三世代」の研究と呼ばれることもある)が生まれたが、これは戦略文化の理論面を発展させようとしたものであった。この中の何人かは、ネオリアリズムに代わる理論的な枠組みを生み出そうとしている。 コンストラクティビズムの研究では、特に組織のプロセス、歴史、伝統、そして文化などによるアイデンティティーの形成に注目している。コンストラクティビズムは国際システムのレベルにある社会構造や、国際安全保障における規範の役割に焦点を当てるのだ。アレクサンダー・ウェント(Alexander Wendt)によれば、コンストラクティビズムは国家のアイデンティティーと国益というものを「知的な慣習により、社会的に構成されたもの」として見ている(1992: 392)。ヴァレリー・ハドソン(Va

    戦略文化:その4(コンスト) | 地政学を英国で学んだ
  • 戦略文化:その3 | 地政学を英国で学んだ

    戦略文化の源流 物質面と観念面の両方の要因をまんべんなく見た場合、戦略文化の源流のいくつかは文献などに求めることができる。また、地理や気候や資源なども何千年にもわたる戦略思想においてカギとなる要素であったし、現代の戦略文化においてもいまだに重要な源流である。なかでも「地理的な環境」というのは、ある国が特定の戦略政策を採用する理由を理解する際にとても役立つものだと多くの人々に考えられている。たとえば大国の近くに位置するというのは重要な要素であると考えられており、冷戦時代のノルウェイやフィンランドなどはその典型的な例である(Graeger and Leira 2005; Heikka 2005)。さらにはほとんどの領土紛争が話し合いを通じて解決される一方で、紛争を起こして解決しようとしたり抗争が続いたままのもある。また、多くの国々と国境を接していて、各地点で近隣諸国とそれぞれ異なる戦略的状況に

    戦略文化:その3 | 地政学を英国で学んだ
  • 地政学を英国で学ぶ : 戦略文化:その2

  • 戦略文化:その1 | 地政学を英国で学んだ

    イントロダクション 近年では多くの人々が、戦略の趨勢に「文化」(culture)というものが強力なインパクトを与えるものであり、最近の様々な事件によって文化が安全保障の中で果たす役割を探るという知的興奮を呼び起こすことになった、と考えはじめている。研究者や実務担当者たちは、戦後のイラクにおける民主制度の定着や米中関係、そして「テロとの戦争」で直面する問題を、「アイデンティティー」や「文化」というレンズを通して解釈するようになったのだ。よって章では、このような事柄を「概念的なツール」や「政策作りの際の基礎」となる「戦略文化」(strategic culture)というものに注目しながら考えていく。また、ここでは戦略文化のいくつかの「世代」(最近のコンストラクティビストのアプローチも含む)の学問的な業績が考察される。また、章では戦略文化の「所有権」の問題や、「非政府組織」、「国家」、そして

    戦略文化:その1 | 地政学を英国で学んだ
  • 地政学を英国で学ぶ : 戦略学の本のイントロ:その5

  • 地政学を英国で学ぶ : 戦略学の本のイントロ:その4

    ↑特亜の浸透戦略を学べ!↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。戦略学に対する批判とは? 戦略家の戦略学という学問に統一性を与えているにもかかわらず、リアリストの前提の多くは猛烈な批判を受けている。このような批判を詳しく紹介している文献(Gray 1982)もあるが、ここでの目的は戦略学の批判者たちが行う特徴を示すことにあるので簡単に紹介すると、戦略家は ー紛争や兵力というものに注目しすぎであり、 ー倫理・道徳面に十分配慮しておらず、 ーそのアプローチが学術的ではなく、 ー問題の解決法というよりも問題の一部となっており、 ー国家を中心とした視点を持っている と批判されることが多い。 多くの批評家が批判するのは、戦略家は軍事力の役割に注目するために暴力や戦争のことにかかり切りになっている、という点だ。戦略家の世界観は紛争志向であるために、彼らは世界政治における協力的で平和的な面

  • 地政学を英国で学ぶ : 戦略学の本のイントロ:その3

    ↑特亜の浸透戦略を学べ!↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。戦略学と古典現実主義の伝統 戦略について論じる学者、兵士、政治家たちの持つ哲学面での「基礎」や「前提」は一体何なのだろうか?実は現代の欧米の戦略家は、そのほとんどが同じ思想的伝統に属している。彼らは国際政治とはどういうものであるかという考え方について、似たような前提や、政治と軍事に関する問題を最も適切に扱えるある種の思考法を共通して持っている。この基礎となる考え方は、「リアリズム」(現実主義)と呼ばれたり説明されることが多い。 もちろん「リアリスト」(現実主義者)たちの間には様々な考え方の違いがあるが、それでも彼らのほとんどが同意できるような、ある特定の共通の見方や前提は存在する。これらの前提は、大きく見れば「人間の性質」、「アナーキーとパワー」、「国際法」、「道徳倫理」、そして「制度」という名前に区別できる。 人間の性質