作家・批評家でありフランス文学者、そして美術エッセーでも大きな足跡をのこした澁澤龍彦(1928~1987)の没後20年を記念する展覧会を開催いたします。 豊かな知識を生かしながら、独自の好みと美意識にもとづく自由な芸術論やエッセーを発表し、従来の美術史にとらわれない新しい美術の見方を体現した澁澤龍彦は、日本の文化・芸術に大きな影響を与え、今もなお人々を魅了し続けています。 本展では、澁澤龍彦が好んだ古今東西の幻想美術家約80人の250点に及ぶ作品とともに、著作・資料・遺品・蒐集品など約50点を通して、60年代以後の日本の新しい文化と芸術をリードし、日本人の美意識にひとつの変革をもたらした澁澤龍彦とは誰だったのか、私たちは澁澤龍彦から何を得てきたのか、そして澁澤龍彦が生きた昭和とはどんな時代だったのかを併せて概観していきます。