千葉雅也(哲学者)+平田晃久(建築家)+門脇耕三(建築家)+コメンテーター:松田達(建築家)+モデレーター:平野利樹(東京大学大学院隈研吾研究室) 「オブジェクト」への関心の大きさが、近年のさまざまな建築作品や言説から表出しています。モノ(object)はヒトに対してどのようにふるまっているのか、ヒトはモノをどのような存在として認識しうるのか、世界は対象(object)のどのようなネットワークによって現前しているのかという問いを含む、オブジェクト指向存在論、思弁的実在論、超越論的唯物論の関心は、例えば、社会構成的な意思による社会の実現、建築の創造という課題に対して、まったく別様の思考の開かれ方を示しています。それは建築にとってどのような可能性へとつながっていくのでしょうか。 建築とオブジェクトの存在論をめぐるシンポジウム「建築文化週間建築夜楽校2016」(日本建築学会)の議論をここに採録し