「モラトリアム人間」「パラサイトシングル」「ニート」「地元志向」「さとり世代」等々、これらの言葉に人々が惹きつけられてきたのは、若者の特徴を通して時代や社会のあり方が浮かび上がってきたからである。しかし現在、枠組としての「若者」が溶解しつつある。本書は「若者について論じる」ことの可能性のありかを示す。 【電子書籍あり】 紀伊國屋書店 はしがき[浅野智彦] 1 空転する若者語り 2 語りと実態との解離 3 若者論のゆくえ 第一章 日常的革新としての消費[川崎賢一] 1 消費と日常性 2 現代日本の若者文化 3 中国の若者文化 4 グローバルな若者文化 5 消費からみえてくるもの 第二章 「若者のアイデンティティ」論の失効と再編[浅野智彦] 1 枠組としてのアイデンティティ論 2 アイデンティティの「喪失」「解体」という語り 3 三つの社会変容 4 トランスフォーマティブ社会におけるアイデンテ