Gilles Deleuze(1925〜1995) up!!★ジル・ドゥルーズ『本能と制度』(原書1953年、加賀野井秀一訳注『ドゥルーズ初期−若き哲学者が作った教科書』所収)、夏目書房 人間は本能を持たず、諸制度をつくりあげる。人間は種から脱皮しつつある動物なのである。したがって、本能は動物の緊急事態を表現し、制度は人間の要求を表現していることになる。逼迫した飢餓でも、人間においては、パンを手に入れる要求となるわけだ。結局のところ、本能と制度との問題は、その最も鋭い点において、動物のさまざまな「社会」の内ではなく、動物と人間との関係の内で把握されることになるだろう。人間の諸要求が動物にかかわり、動物を制度の内に統合する場合(トーテミズムや馴致)にも、あるいは、動物の緊急事態が人間に遭遇し、逃げたり攻撃したり、食べ物や庇護を求めたりする場合にも、それは変わらないのである。 ★ジル・ド