歓待の原理——クロソウスキーからフーリエへ(論文再録) | Philosophy Sells...But Who's Buying? 昔書いた、「歓待」についての論文です。 よかったらお読みください。 歓待の原理 クロソウスキーからフーリエへ 國分功一郎 歓待(hospitalité)を巡る議論は、或る対立の中に閉じ込められているように思われる。一方には、異邦人を受け入れる義務を唱える者がいる。他方には、それによる秩序の壊乱を危惧し、受け入れを拒否する者がいる。歓待の概念は、亡命者や移民など、共同体へと不意に来る訪問者への対応が論じられるなかで急浮上してきた。しかし、上のような対立を土台にする限り、歓待という概念の可能性を問うことは困難であるといわねばならない。そこでは、「異邦人を受け入れよ」という命令と、それに対する拒否が平行線をたどるだけである。そして、歓待とは何であるのかが不問に付さ