今まで当然のようにできた運動ができない。優秀だった選手のパフォーマンスがおかしくなった。 例えば、野球の投手が突如としてストライクが入らなくなった。急激にスピードが落ちた。動きがぎこちなくなった。 このような選手を目にしたとき、監督やコーチはどんな何と言うだろうか。 「何をやっているんだ!」「気合を入れろ!」 そんな声をかけてしまわないだろうか。 もし、練習では好調に見えるが、試合になると動きがおかしくなる選手がいるとする。彼を「精神的に弱い選手」と断じてしまわないだろうか。 イップス研究所で所長を務める河野昭典氏(59)は、語気を強めて断定する。 河野氏 イップスはメンタルだけの問題ではなりません。選手自身や指導者が「精神的に弱い」と片付けているならば、間違いです。その認識を変えなければ克服できません。 トレーニングサポート研究所でイップス克服を指導する松尾明氏(48)も、同じ言葉を口に