廃止になった鉄道路線の跡をたどる、「廃線跡歩き」。1990年代にブームとなったこの趣向は、今や鉄道ファンや愛好家の間ですっかり定着した感がある。 ここでいう廃線跡とは、「かつて実際に運行されていた路線」の遺構のこと。一方、開業をめざして計画はされたものの、実際にこの世に誕生することなく消えていった幻の鉄道路線が、この日本列島には無数に存在するという。 いわゆる「未成線」、未完成のまま中途で放棄された「未完成の鉄道線」である。 この未成線というジャンルについては、実は鉄道ファンでも知らない人が多い。その存在を世に知らしめた草分けともいえるのが、鉄道ライターの森口誠之さんだ。森口さんは90年代後半、国立公文書館に通いつめて、戦前の鉄道省や運輸省の資料を徹底的に調査。その成果を著書にまとめ、2001年に『鉄道未成線を歩く・私鉄編』、02年に『同・国鉄編』(いずれもJTBキャンブックス)を出版した
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