これまで,「ソフトウエアの再利用」は期待に反してあまり進まなかった。だがOMGが再利用の標準規格として承認した「RAS」は,この状況を変える可能性を秘めている。ソフトウエア資産の情報をどのような形式で記述し,どのような仕組みで再利用するのかを具体的に解説する。 過去40年におよぶソフトウエア・エンジニアリングの歴史において,ソフトウエアの再利用については数多くの検討・提案がなされてきた。サブルーチンやデータ構造宣言の再利用,コンポーネントやソフトウエア・パターン(以下,パターン),フレームワーク,ドキュメントの再利用など,枚挙に暇がないほどである。 こうした様々なソフトウエア資産を効果的に再利用して進める「アセット・ベースの開発(Asset Based Development)」は,今後ますます重要になる。拡大し続けるソフトウエアの規模に対応するには,もはや必要な工数に応じて労働力を投入す
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