JR東海は13日、2027年に開業するリニア新幹線専用車両への電気供給方式について、非接触型の「誘導集電方式」を採用すると発表した。軌道沿いの放電コイルから、通過車両に電気を飛ばして給電する仕組みで、鉄道のような大規模システムへの全面導入は世界で初めてという。 リニアは浮上式で、走行には超電導磁石を使う。架線やパンタグラフがないため、空調や照明、磁石の冷却用などに電源を確保する必要がある。リニア1編成(12両相当)を時速500キロで走行させるには3.5万キロワットの電力が必要という。 JR東海は07年から山梨県の実験線で研究を始め、13日の国土交通省の技術評価委で同方式の実現性が認められた。実験線では同方式のほか、車両に搭載したガスタービンでも発電している。しかし、ガスタービンは排ガスが発生するなどし、同社中央新幹線推進本部は「新方式の採用決定で、より環境負荷の少ない鉄道システムとなった」