冬に流行しやすいノロウイルスなど下痢の原因になるウイルスを吸着するたんぱく質が、下水処理の過程で生じる汚泥に含まれていることを、東北大と北海道大の研究チームが解明した。患者が感染しているかどうかの検査への活用が期待される。英科学誌「BMCバイオテクノロジー」に掲載された。 微生物を使って下水を処理すると、水の汚れの原因を分解、除去する「活性汚泥」と呼ばれる微生物の固まりができる。研究チームは、活性汚泥がウイルスを吸着する性質を持っていることに着目し、これが微生物由来のたんぱく質のグループによる働きであることを突き止めた。 特に「GroEL」と呼ばれる複合体を構成するたんぱく質が、ノロウイルスをよく吸着することが判明。乳児の嘔吐(おうと)下痢症の原因になるロタウイルス、急性灰白髄炎(小児まひ)を引き起こすポリオウイルスに対しても、同様の効果があることが確認された。 大量の飲食料などからのウイ