◇122年の歴史 特別上映で幕 福山市笠岡町の映画館「シネフク大黒座」が31日、建物の老朽化などのため、122年の歴史に幕を閉じた。集まった人らは、館内の壁にメッセージを書き込んだり、記念撮影したりして別れを惜しんだ。市中心部の映画館は、「福山駅前シネマモード」(伏見町)だけとなった。 大黒座は1892年、芝居や演劇もできる劇場として誕生。1927、45、60年に火災に見舞われたが再建され、福山の娯楽、映画文化を支えてきた。人気作の上映時には、館の外にまで客が列が作ったこともあったという。 最終日のこの日、福山を舞台に、難聴の子を持つ家族の絆をテーマにした「泣きながら笑う日」(1977年公開)や、「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の優秀作が原作の「少女たちの羅針盤」(2011年)を特別上映。「泣きながら――」に出演した俳優、阿藤快さんや、市出身のミステリー作家、島田荘司さんも舞台あいさ
飛騨地域唯一の映画館として親しまれた高山市三福寺町の「高山旭座」が今月末で閉館する。来館者の減少で経営が困難になった。関係者は閉館を惜しみ、「もう一度満席にしたい」と有志が来館を呼びかけている。 飛騨市古川町で戦前に芝居小屋として開設された旭座はその後、映画館に衣替えし、1984年に高山市に移転、シネマ・コンプレックス(複合型映画館)として開設した。当時は郊外の駐車場付きの映画館は珍しく、注目を浴びた。80~90年代は日本アニメやハリウッドのSFX(特撮技術)映画の人気でにぎわい、別館2館を新設。4館で計約470席となり、ピーク時は年間10万人が訪れた。 「約100台の駐車場が満車になったこともある」と支配人の牛丸昭則さん(67)は懐かしむ。しかし、後発の富山市のシネコンに客が流れ、5~6年前からは来館者が約5万人に半減。デジタル映写機などの設備投資による負債の解消のめどもたたず、閉館を決
日田市にある唯一の映画館「日田シネマテーク・リベルテ」が6月、新装開館5周年を迎えた。閉館寸前のところでオーナーから声をかけられた原茂樹さん(38)が支配人を引き受け、サロンをつくったり音楽イベントを開いたりして再生した。原さんは「人と人をつなぐ場所にしたい」と話している。(白石一弘) 同市には最盛期、7か所ほどの映画館があった。しかし少しずつ閉館し、最後に残ったリベルテも2007年に休館。08年に再開したが客足は伸びず、約8か月で継続できなくなった。 白羽の矢が立ったのが、日田市で生まれ育った原さん。当時、福岡市で音楽活動や神社関係の仕事をする一方、帰省した際に客としてリベルテを訪れ、自販機やごみ箱の位置などをアドバイスしていた。そんな姿を知ったオーナーから支配人就任の誘いを受けた。 「故郷の映画館を残したい」と日田へUターンして09年6月27日に新装オープン。魅力ある交流の場にしようと
映画館のデジタル化や閉館などによって、数多くの35ミリフィルム映写機が行き場を失っている。 そうした映写機を引き取り、再活用をめざして保管、メンテナンスする活動が行われている。 千葉県成田市にあるギンレイ成田映画センター。広さ1200平方メートルの元倉庫に、さまざまな35ミリフィルム映写機が保管されている。最近までシネマコンプレックスで使われていたものから、レトロな年代ものまで。フィルムを巻くプラッターなどの付属機器、スペアの部品なども一緒だ。現在は約100台にのぼる。 この場所を設けたのは、東京・飯田橋の名画座、ギンレイホールの加藤忠社長。「フィルム映像の文化を伝えていきたい。フィルムとフィルム映写機の両方を保存していければ」と話す。活動のきっかけは、1996年末までギンレイホールで使っていたローヤルニューL型という昭和の映写機のレトロな魅力にほれこんだこと。大事に保管していたところ、「
高校生の映画鑑賞料金を値下げする動きが出てきている。若年層の映画館離れへの懸念が高まる中での実施だ。 シネコン大手のTOHOシネマズは6月1日から、TOHOシネマズ名の全国58劇場と東京・お台場シネマメディアージュで、高校生料金を従来の1500円から1000円に値下げした。 また、松竹マルチプレックスシアターズも10月31日まで直営の26劇場(MOVIX名の22劇場と、新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、東劇、神戸国際松竹)で高校生1000円キャンペーンを実施中。シネコンでは、ほかにも、シネマサンシャイン(佐々木興業)が全13劇場のうち、静岡県沼津市の劇場で2012年3月からの試験期間を経て、同10月から高校生料金を1000円に固定。現在はほかの12劇場でも9月30日まで高校生1000円としている。両社とも、期間終了後、継続するかどうかは結果次第という。 各社ともに共通した狙いは、高校生が足
戦後間もない頃から半世紀以上にわたって映画ファンに親しまれてきた映画館「新京極シネラリーベ」(中京区新京極通六角下る)が15日で閉館する。映画館や芝居小屋、寄席が集まり、「興行の街」として知られた新京極で閉館が相次ぐ中、市民らから惜しむ声が上がっている。(二谷小百合) 同館は昭和戦争後、「京極弥生座」として開業。2006年に改装し、「映画の恋人」を意味するフランス語とドイツ語を合わせた造語の現在名で、新しいスタートを切った。 しかし、近年は娯楽の多様化や複合型映画館(シネマ・コンプレックス)との競合などに加え、映画のデジタル化が進み、フィルムでの配給作品が減少。“デジタル化の波”に対応する機材導入が困難なことなどから、閉館を決めたという。 吉永小百合主演の「北のカナリアたち」、野村萬斎主演の「のぼうの城」が最後の上映作品となる。当川賢治支配人は「長年ご支援いただいたお客様に感謝申し上げたい
東日本大震災で被災した岩手県内の映画館が、デジタル化の波にさらされ、対応に苦慮している。 フィルム映画の配給は近く終了する見通しで、新作上映にはデジタル用映写機などが必要になる。復旧費用がかさんだ被災映画館にとって、更なる負担となっている。 映画用フィルムの国内生産は今年3月で終了する見通しで、在庫がなくなり次第、フィルムでの映画配給は打ち切られる。デジタル映像はデータ通信で簡単に全国に送ることができ、配給会社の利点は多い。 一方で映画館は、映写機やサーバーなどを更新する必要があり、1スクリーンあたり約700万円ほどかかるという。全国の約9割の映画館がデジタル化を終えた一方で、集客力の弱い地方の映画館は苦しい対応を迫られている。 沿岸部唯一の映画館、宮古市の「シネマリーン」は2スクリーンともフィルム対応のままだ。デジタル化の費用を捻出しようと昨年12月から、募金活動を開始。賛同した市内の商
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く