「寄付金 予算現額1万円 収入済額10億2191万2800円」 美浜町の2007年度一般会計決算書。歳入項目を見ると、07年2月の当初予算段階ではたった1万円だった寄付金の額が、08年秋の決算公表段階で一気にはね上がっていた。07年度の歳入総額は77億4321万円。その13%にあたる寄付金が当初予算計上後に補正されることもなく、突如として決算書に登場する。 06年度も同様に、3億1519万円もの寄付金が決算書でいきなり記されている。副町長の中村春彦(64)は「出納整理期間に寄付を受けると、決算書のみに記載する。本来は年度内に受ける予定だったが、寄付の相手方の都合もあって遅くなり、各年度の3月補正予算までに計上できなかった」と説明する。だが、寄付者名を問うと、「それは答えられない」と口を濁した。 巨額にもかかわらず、匿名で、なおかつ表に表れにくい形で行われている極めて奇妙な寄付行為。関係者の