古代ギリシャの哲学者メネデモス*1という人について、こんなエピソードが伝わっている。 彼はアスクレピアデスとともに宿屋に泊まっていて、ついうっかり投げ捨ててあった肉を食べてしまったが、そのことに気づくと、彼は気分が悪くなり顔は青ざめた。そこでアスクレピアデスは、君を苦しめているのは肉ではなくて、肉についての君の考え方だと言って、彼をたしなめたのであった。 『ギリシア哲学者列伝』*2 僕は今までの人生で、「ついうっかり投げ捨ててあった肉を食べてしまった」人というのを見たことがない。宿の主人に断わりもなくテーブルの上においてあった肉を食べたら、実はそれは召し使いがテーブルをひっくり返して地面に落ちてしまったもので、あとで犬の餌にするつもりだった、とかいうことなのだろうか。 どうもメネデモス*3という人は「うっかりしている」というよりむしろ「いじきたない」のではないかと思う。そんなことで哲学者が
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