韓国の文在寅政権は、23日午前0時に日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効が迫る中、土壇場で「終了通告の効力停止」を決定し、関係が冷え込む日韓の信頼崩壊を何とか食い止めた形だ。日米韓の安保協力の「象徴」とされるGSOMIAの失効を懸念した米国の圧力に屈し、方針を転換。ただ、元徴用工問題など日韓の懸案解決に向け双方が歩み寄れるかは不透明で、乗り越えるべきハードルは多い。 ◇ぎりぎりの譲歩 安全保障上の懸念を理由に韓国への輸出規制を強化した日本政府に韓国側は強く反発。今年8月に韓国側は対抗措置として、GSOMIAを破棄する方針を決定し、日本側に通告した。失効期限が迫る中、米高官が相次ぎ訪韓し、韓国政府をけん制。エスパー国防長官は「対立で利を得るのは中国と北朝鮮だ」と警告した。 日韓筋によると、米国のこうした圧力を受け、韓国側も急きょ事態の収拾に動きだした。失効期限直前の「ぎりぎりの調整