マネタリズムは間違っていた 本稿は要約であり、詳細は本ホーム・ページ別項の論文「サッチャー、レーガン伝説 とフリードマンのマネタリズム」に述べられている。 昨年の秋に死去した米国のミルトン・フリードマン教授は、アグレッシブな「反ケインズ主義」で知られるシカゴ学派の頭領として、そして、同学派の中でも、とりわけマネタリストたちを率いて、全世界的に、一時は、きわめて大きな影響力を持った著名な経済学者であった。確かに、戦前の大不況の主要原因の一つが当時の米国の金融政策の失敗にあったとする彼の分析は、貴重な業績であったし、さらには、わが国でもベスト・セラーズになった彼の著書『選択の自由』などは、自由主義の経済哲学をわかりやすく説いた名著であった。しかし、実は、冷静に回顧してみると、フリードマンが1970年代以降に行なってきたマクロ経済政策的な分析や提言のほとんど全ては、現実的な妥当性に乏しいも