千葉県松戸市で2009年10月、千葉大4年の荻野友花里さん(当時21歳)がマンションの自室で殺害された事件で、東京高裁は8日、強盗殺人罪などに問われた無職竪山(たてやま)辰美被告(52)を死刑とした1審・千葉地裁の裁判員裁判の判決を破棄し、無期懲役の判決を言い渡した。 村瀬均裁判長は「犯行には計画性がなく、同種事件で死刑がなかった過去の例からすると、死刑の選択がやむを得ないとは言えない」と指摘した。 最高裁によると、裁判員裁判の死刑判決が控訴審で破棄されたのは2例目。いずれも1人殺害のケースで、高裁が裁判員裁判の厳罰化に歯止めをかけた形だ。 控訴審では、死刑を適用すべきかどうかが最大の争点となった。 村瀬裁判長は1審判決と同様に、竪山被告が殺意を持って荻野さんの胸を包丁で刺すなどして殺害したと認めたが、荻野さんの部屋に侵入したのは金品を盗むためだったとし、「計画的な殺害とはいえない」と判断