2006年シーズンでJ2に降格してからの過去3年間、昇格を口にしながら7位、8位、11位と低迷。アビスパ福岡は、ただの一度も昇格争いに顔を出すことなく苦しいシーズンを過ごしてきた。シーズン前、福岡は昇格候補のひとつとして数えられることはなかった。しかし、それを一変させてのJ1昇格権の獲得。その要因はどこにあったのだろうか。 ■待ち続けた歓喜の瞬間 「やりましたー」。福岡空港で丹羽大輝が叫ぶ。選手たちの凱旋を心待ちにしていた500人を超えるサポーターが「アビスパ福岡」の大合唱で応える。誰もが待ち受けていた瞬間だった。昇格の権利を得るまであと一歩と迫っていた福岡は、この日、アウエーで戦ったFC岐阜戦を2−0で勝利。遅れて試合を行っていた4位のジェフ千葉がザスパ草津に0−2で敗れたために3位以内が確定し、福岡は5年ぶりにJ1の舞台に立つ権利を手に入れた。 あらためて振り返れば、第6節から4連敗