ニセ科学に引っ掛かる人にはどうやら2種類いて、ひとつは言われたことをそのまま信じ込んでしまう人、もうひとつは疑うべきところを間違ってしまった人のようだ。どちらも適正に懐疑を抱けていないという点では一致しているのだが、後者は自身を懐疑主義者と見做していることが多く、却って厄介だったりもする。 懐疑論とは(現代的な意味では)通説などをひとまず疑ってみる姿勢を持つことで、安易に尤もらしさに頼ることなく自ら検証し納得しようというものだ。 「安価なハンバーガーの肉に蚯蚓/鼠などを用いている」という都市伝説を例に取ると、「一般に食用化されていない生物を独自に養殖する方が却ってコストが高くつく」「食用に使えない生物の肉で営業許可が下りる筈もない、また表示と実際の内容に差異があってはならない」というあたりに思い至れば簡単に否定できる話であるが、誤った懐疑論では「一般に高級とされる牛肉100%で作っているの