佐藤優が「ぼくらの頭脳の鍛え方」(文春新書)で、ショーロホフの「人間の運命」(角川文庫)を推薦している。その「人間の運命」から。 ドイツ軍の捕虜になった主人公アンドレイ・ソコロフが漏らした愚痴、1人1日4立方メートルの石を手で切り出すというノルマが多すぎるという愚痴を告げ口した仲間がいて、司令官に呼び出される。彼は死を覚悟する。 俺の真正面には、半ば酔ったミューラーが坐ってる。ピストルをもてあそんで、手から手へ投げ渡しながら、蛇のように瞬きもせず俺を見ている。俺は両手をピタリとズボンの縫目につけ、履きつぶしたかかとをカチリと鳴らすと、大声で、『司令官殿、捕虜のアンドレイ・ソコロフ、命令により只今参りました』と報告した。すると奴がこうきくのさ。『ええと、ナニか、露助のイワン、4立方メートルのノルマは−−多すぎるのか?』『司令官殿、そのとおりであります、多すぎます』『1立方メートルならお前の墓
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