『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』 町田 そのこ (著) 新潮文庫 あらすじ思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、生まれ変わる同級生の様子を見守るひととき、救いようのない状況で求める変わらぬ思い。 水の中で漂い、停滞し、もがく男女の苦しさとせつなさを描く5編の短編集。 さっちゃんの恋団子を食べて差し歯が取れてしまったさっちゃん。 のほほんとした雰囲気をまとう彼女は、この差し歯をすることになった過去を思い出します。 そして、そのきっかけを作った彼と、歯医者の前で十二年ぶりに出会います。 家に来るようにと彼を誘うさっちゃんですが…(「カメルーンの青い魚」)。 同級生の変化を眩しく見つめる同級生にからかわれ、いつも祖母の陰に隠れていた中学生の晴子が、男子の顔をを殴りつけます。 それを見ていたさっちゃんの息子・啓太は驚き、そして晴子は孵化したのだ、と感じます。 祖母という、自分を守る殻を