日本銀行が上場投資信託(ETF)の購入に乗り出し、10年を迎える。モルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)元日本代表の藤巻健史氏は「ETFを買い続け、今や日本株の最大の株主は日銀だ。暴落を招くため簡単に株を手放すことはできず、出口はない」という——。 1万円札の図柄はトヨタ・レクサスに ちょうど10年前の2010年12月に日銀が株を買い始めたとき、私は「そんなことをしたら、今に1万円札の図柄がトヨタ・レクサスに変わってしまうぞ」と揶揄やゆしたものだ。 金本位制時代には日銀発行券の価値は金が担保したが、今は不換紙幣で金が担保しているわけではない。日銀は「健全なる金融制度が紙幣の価値を担保している」との公式発言をしているが現実問題として、その保有資産の健全性が、日銀券に信頼を与えていると考えられる。 その意味で、日銀資産の多くが株式になるのなら、日本の代表的企業トヨタの旗艦車レクサスがシ