題名は室町時代の禅僧・夢窓疎石の言葉で「別に工夫なし」。ここはそんな境地にいつか到達したい、日本ではまだ有名でない映画監督・藤原敏史が勝手に愚痴ってるブログです 本ブログでの報告が遅くなってしまったが、5月の末、政府によれば「計画避難」の期限となる直前に、福島における震災と原発事故をめぐるドキュメンタリー新作『No Man's Zone』の撮影で、飯舘村にロケに行って来た。 むろん現実は、あんな無茶で矛盾だらけの政府命令が、そう順調に進行しているわけもない。避難先が見つからない人も多く、また今さらこの程度の放射能を気にする年齢でもないのだし、残る人もいる。 ひとことで飯舘村と言ってもかなり広い。そのなかで最高の放射線値を記録した長泥の区長さんの家では、5月に子牛が生まれたばかりで、6月いっぱいまでは避難できないという。 一方で避難命令が遅過ぎた、80日近く時間がかかってしまったことも響いて