検察調書、閲覧可能に 新事実続々 東京電力福島第一原発の事故に関して、東電社員や原子力安全・保安院の職員らが検察に供述した内容をまとめた調書が、東電株主代表訴訟で3月28日に証拠として採用された[1]。そのおかげで、これまで非公開だった調書が、東京地裁で閲覧できるようになった。この中には、政府や国会の事故調報告書や、刑事裁判の公判では明らかにされていなかった情報も多く含まれている。東電や国が事故を引き起こした過程を詳しく調べるための重要な手がかりとなりそうだ。 数多い新事実の中で、この記事では以下の項目について取り上げた。 ・保安院室長が「政府事故調に嘘ついた」と告白 ・東電、東北電力の津波報告書を書き換えさせる ・東電、日本原電の津波報告書にも圧力 ・保安院も東電の「貞観隠し」に加担 ・バックチェックの短縮、保安院首脳が指示 ・溢水勉強会の詳細判明 小林勝氏(撮影・木野龍逸) 「政府事故
住民投票条例案の採決を見守ろうと、多くの市民が本会議場を傍聴に訪れた=15日午後4時ごろ、宮城県議会棟 署名した11万人の思いはくみ取られなかった。15日に宮城県議会で否決された住民投票条例案。東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の是非を問う機会を求めた関係者や原発周辺の住民は、議会の判断に不満をあらわにした。 午後4時45分ごろ、条例案が否決されると、ほぼ満席の約150人が見守る本会議場の傍聴席は重苦しい雰囲気に包まれた。「無視された」「県民の声を聞く気がない」。ため息が漏れ、涙する人もいた。 条例案を請求した「県民投票を実現する会」の多々良哲代表(60)は閉会後の集会で「否決ありきで反対のための反対を繰り返した」と批判。「原発再稼働の判断に知事や県議が責任を果たせるのか。運動を続けよう」と訴えた。 県議が反対理由に挙げた「国策」「経費」に異論を唱える人もいる。傍聴に訪
7年半暮らした部屋で、涙をぬぐう小林さん。「ここで見た景色を、全部残しておきたい」。ベランダや窓から何度もスマートフォンで撮影していた 東京電力福島第1原発事故による自主避難者が入居した京都市伏見区の国家公務員宿舎桃山東合同宿舎で、退去期限が3月末に迫っている。累計114世帯、350人が住んだ府内最大の受け入れ先は、東日本大震災の発生から8年を経て空となる。転居先の家賃負担や隣人との別れといった不安と、新たな暮らしへの決意をない交ぜにして、転居を迫られた避難者の生活は次の段階へ入っていく。 2月23日午後。合同宿舎の古びた階段に小林雅子さん(50)の足音が響いた。 「この棟にも、たくさん子どもがいたんですよ」。残る住人はわずか。小林さんは4階の部屋から、2週間前に宇治市内の府営住宅へ転居を済ませていた。 原発事故後の11年8月、福島市の自宅に夫を残し、小学5年だった長女茉莉子さん(18)と
東日本大震災はまだ終わっていない。何の落ち度もなく肉親や家、古里を奪われ、今なお避難生活を送る人は全国で5万人超に上る。その厳しい現実を改めて私たちに突き付ける判決が、横浜地裁で言い渡された。 東京電力福島第1原発事故で福島県から神奈川県に避難した住民ら175人が国と東電に損害賠償を求めた訴訟で、同地裁が2者の責任を認め、152人について計4億1963万円の支払いを命じた。 同事故の避難を巡る集団訴訟で判決が下されたのは、8件目だ。いずれも東電の責任を認定したほか、国を被告にした6件の訴訟のうち5件で国の責任が断罪されたことになる。 集団訴訟は福岡地裁(係争中)でも起こされ、九州で避難生活を送る人々も救済を求めている。国はそうした動きと一連の司法判断を真摯(しんし)に受け止め、被災者支援の拡充を図るべきだ。 判決は、2011年3月11日の津波による事故について、予見は可能であり、電源施設の
厚労省の担当者が小豆川さんに送ったメール。〈人員が限られている中、他業務との兼ね合いもあります〉とも書かれている(小豆川勝見さん提供)この記事の写真をすべて見る 厚生労働省が公表した食品の放射線量の測定値に誤りがあると東大助教が指摘した。だが、ずさんな扱いをされたデータが2カ月近く放置され、風評被害にもつながっている。 * * * 毎月勤労統計の不正調査問題に続き厚生労働省のずさんなデータの取り扱いが発覚した。食品中の放射性物質の検査結果だ。 「偽装というより、想像力の欠如に起因するもの。偽装というと『悪いことを良いように見せかける』という意味が強いと思いますが、今回はその逆。しかも結果がどう伝わるか、想像できていない」 こう指摘するのは、東京大学大学院助教の小豆川勝見(しょうずがわ・かつみ)さん(環境分析化学)だ。 厚労省は2011年の東京電力福島第一原発事故以降、全国の自治体で実施
東京電力福島第一原発事故後の二〇一一年四月、国の研究機関・放射線医学総合研究所(放医研)の明石真言(まこと)理事が福山哲郎官房副長官(当時)に、住民の疫学調査は不要と進言していたことが分かった。原発事故の疫学調査では一般的に、多発が心配される甲状腺がんの患者数や分布を調べ、放射線の影響を分析する。しかし、国は本格的な調査に乗り出さず、福島県が「県民健康調査」を始めた。 (榊原崇仁) 甲状腺がんの原因となる甲状腺内部被ばくの測定も、国は千八十人で終えていた。明石氏はこの測定を問題視しなかった上、甲状腺がんの状況も調べなくてよいと提案したことになる。 本紙は、同年四月二十六日に明石氏らが福山氏と首相官邸で面会し、住民の被ばくについて説明した会合の議事概要を情報開示請求で得た。文部科学省が作成し、放医研が保有していた。 それによると、経済産業省の幹部が「論点として疫学調査の必要性の有無があろうが
このまま原子力発電を続ければ、世界は深刻な電力不足に陥る 原子力発電のウラン燃料は2025年以降、生産量が急速に減少していく ナフィーズ・アフメド / ザ・ガーディアン(英国) 7月2日 ひっ迫している需給関係により、最早低価格のウランなどは存在せず、必然的に原子力発電の段階的廃止、あるいは原料調達不能による原子力発電所の停止と対規模停電、あるいはもっと悪いシナリオが現実のものになりつつあります。 英国・米国両政府は、原子力発電を大量の電療供給を実現するクリーン・エネルギーとして、これを将来の経済成長を実現させるための重要な手段の一つと位置づけています。 しかし原子力発電の燃料となるウランの生産に関する最新の研究は、2020年以降は需要がひっ迫し、ウランの価格が絶えず上昇を続ける状況が生まれ、もはや原子力発電の継続が困難になるだろうと警告しています。 この研究はこれまでのウランの埋蔵量、採
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