サメが強いのはその外面だけではないようだ。新しい研究から、サメの体内に存在する物質に、即座にウイルスの増殖を食い止める性質があることがわかった。 ツノザメ目のサメの組織から見つかったコレステロールに類似した物質が、デング出血熱や肝炎などの難治性の人間の疾患を起こす複数のウイルスと戦う性質を持つことが、新たな研究で判明した。 この化合物はスクアラミン(squalamine)と呼ばれ、癌や眼疾患などの病気に関しては既に人間を対象とした臨床試験も始まっている。数百人の被験者がこの物質を投与されているが、今のところ大きな副作用は出ていないという。 今回の研究では、スクアラミンがウイルスのライフサイクルを阻害し、組織培養、生体内の両方においてその増殖を食い止めることが明らかになった。 細菌感染の治療薬は数多く存在するが、ウイルスに対して効果を発揮する医薬品は非常に少ない。既存の抗ウイルス剤の