グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501) 「WEB進化論」がターミナル駅だとしたら、こちらは快速電車である。 「WEB進化論」は、今までと違う路線に乗り換えていく為の乗り換え駅であり、そこで多様な人がすれ違う。しかし、その本がどこかへ連れて行ってくれるわけではない。「グーグル」は対照的に、読者を終着点に間違いなく運んでくれる。しかも、停車駅は最小限で最速で目的地に到着する。多様な読みを許す自由度や発展性は無いが、おじさん向けの訴求力はこちらの方が上だろう。 出発点は、「B&B羽田空港近隣パーキングサービス」という個人経営の駐車場と、「三和メッキ工場」という小さな地場工場という二つの事例である。ここから、「サーチエコノミー」と「ロングテール」というバーチャルなキーワードが実にリアルに語られ、そのまま一気にインフラ権力としてのグーグルの脅威という所まで突き進む。