シリア情勢を巡り、トランプ米大統領は選挙中から一貫して「ロシアと協力できればいいことだ」と繰り返してきた。ロシアとの関係改善を望まないのは「バカか愚か者」とまで述べてきた。ロシアが支援するアサド政権への批判も封印し、逆に米欧が支援する反体制派を「素性の分からない連中」とこき下ろしてきた。 その方向性は先週までぶれていなかった。トランプ政権はアサド政権への柔軟姿勢を鮮明に示していた。ヘイリー国連大使は3月30日、ロイター通信などに「米国の優先順位は、もはやアサド追放に固執することではない」と発言した。 さらにティラーソン米国務長官は「アサド大統領の今後の立場はシリアの人々によって決定される」とし、スパイサー米大統領報道官も、「政治的現実を受け入れるべきだ」と続いた。アサド氏の退陣を強く求めてきたオバマ前政権と異なり、存続を容認することを強く印象付けた。 ロシア側が望む形で、協力に向けて米ロ間