オリンピックに備えて東京都で禁煙条例ができるなど、近年は禁煙運動がかなり勢いを増しています。それに対して喫煙者から時たま聞こえてくるのは「タバコを吸う人にだって人権がある。行き過ぎだ」という意見です。 他人の健康に害を及ぼすタバコを吸うことイコール人権であるという考えは「人権」というものを完全に取り違えていますが、残念ながらその手の誤解が日本では非常に多いと言えます。そもそも「人権とは何か」と聞かれても、答えることができない人がほとんどではないでしょうか。 恐らく「人権とは自分らしく生きること」というような路線で考えるのが、大方の日本人の認識のように思われます。そうなると「私はタバコの煙が大嫌いで、タバコのない環境こそ自分らしく生きられる」という人の言うことにもうなずけるし、「私はタバコが大好きで、タバコを吸うのが最も自分らしい生き方」と言われると、なるほどと考えてしまいます。 双方の折り