日本の商品デザインは、80年前後に、生活を観察し、そこからもの・サービスのあるべき姿を導期、提案していくという、デザインオリエンテッドな開発スタイルを創り上げていく。その最大の成果が「無印良品」であろう。 「無印」は流通サイドからおこなわれた商品開発という点でもユニークであるが、巧みな情報操作と20年にわたりその基本コンセプトを継続していく姿勢により、一つの「ライフスタイル(飾らない、シンプルな暮らし方)」を築き上げるまでに至っている。 「無印良品」の背景は、スーパーマーケットが「ストアブランド商品(そのお店でしか売られていない商品群)」を求めたことから始まる。スーパーはメーカーの商品(「ナショナルブランド商品」という)を幾らか割り引くこと、つまり「他と比べて安いこと」に存在価値があると考えられていた。だが不毛な割引競争を避けるためにも、「自分で価格の決められる商品(ストアブランド