ベーチェット病について話す、EXILEのMATSUさん=東京都目黒区、遠藤真梨撮影 ■免疫と病気 MATSUの覚悟:1 スポットライトの強烈な光、つややかな木目のステージ、激しく動き回る何台ものテレビカメラ――。 9月。ダンス・ボーカルグループ「EXILE(エグザイル)」の14人が、TBS(東京・赤坂)の収録スタジオにいた。メンバーのトップでボーカルの横に立つ、ダンサーのMATSUさん(37)。曲に身を委ね、黒いジャケットをふわりとひるがえし、床を滑るようにステップを踏み始めた。 ダンスに捧げてきた、今日までの20年。それは、突然の激痛におびえる、難病との孤独な闘いの日々でもあった。 高校に入学して間もなく、テレビのダンス番組で目にしたヒップホップの不良っぽさにひかれ、友達とストリートで踊り始めた。19歳の頃に仲間とダンスチームを結成。イタリア料理店の厨房(ちゅうぼう)でアルバイト