ネットの世界では偏見に基づく言葉が大量に発信され、瞬く間に広がって人々の考え方や行動に影響を及ぼす。そう感じている人は多いだろう。 それを単なる感覚ではなく、数字で実証したのが、高史明さん(35)が昨秋出版した著書『レイシズムを解剖する 在日コリアンへの偏見とインターネット』(勁草書房)だ。在日コリアンへの偏見は、ネット上にどう現れているのか。膨大なツイッターを分析した労作で、学術書にもかかわらず、一般の人に読者を広げている。 在日コリアンへの偏見を研究するようになった源流は、小学生時代にさかのぼる。親の転勤で関西の地方都市に引っ越し、言葉をからかわれ、同級生や教師にいじめられた。高さんは日本人だが、在日コリアンにもある名前で、それも口実にされた。「よそ者というだけで、こんなにも冷たい仕打ちができるものなのか」とがくぜんとした。
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