たしかに、超法規的な世界というのは、ある意味惨劇の死の世界であり、その生と死をつかさどる世界は、容易に聖化されやすく、綺麗だ。この作品に無常観や諦念というテーマを見つけるのはたやすい。でもその綺麗さを舞台装置のみで使うのは、ただ単に設定だけの作品で終わってしまいかねない。以降に期待する作品ですね。 『GUNSLINGER GIRL』 相田裕著 聖なる残酷さ〜美しいが納得できない世界観 http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20081025/p1 以前の書評で僕はこう書いた。ただ、いま思うと「ただ設定だけに終わる」ではなく、無常観や諦念というテーマ性・世界観に、作者が自ら選んで留まっていたのだ、ということがわかる。既に、もうこの世界観だけで、完全に世界が完成している。巻の途中で評価するのは、物語性のダイナミズムを重視する僕には珍しいのだが、この作品は既に