『馬車が買いたい!』『子供より古書が大事と思いたい』などで知られる19世紀フランスの社会・小説研究家にしてエッセイスト、伝記作家、明治大学教授、そして古書コレクターの鹿島茂さんに、われわれの懲りない消費癖の真因を訊ねた。 かしま・しげる 作家/エッセイスト/フランス文学者作 1949年神奈川県横浜市生まれ。73年東京大学仏文科卒業。78年同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。明治大学国際日本学部教授。専門は、19世紀フランスの社会・小説。「鹿島茂コレクション2 バルビエ×ラブルール展」が練馬区立美術館(tel.03-3577-1821)で開催中。6月3日まで。 人間存在の深遠な謎である「ムダ」なことに向けられる情熱(狂熱?)について考える手がかりとして、まずバロン薩摩の生きた時代のことを鹿島さんに訊ねてみる。 「1920年代は、日本が第一次大戦にほとんど参加しなかったために丸儲けし