オタクを自称する人が増えている。「俺はオタクだ」「オタクとして僕は云々」といった言葉は、ネット界隈やコミケ会場を飛び出し、「ん?どこにオタクがいるのかな?どこにもいない気がするぞ?」という空間でさえしばしば聞かれるようになった。例えば私の場合、秋葉原で店頭ディスプレイに群がっている人達が「俺はオタクだ云々」と言っていてもあまり違和感を感じないが、松屋のデパ地下で買い物している女性が「あたしって惣菜オタクだから」とか言っているのを聞いた時は“はぁ?”と思ってしまいがちだ。こうした現象は「一人称としてのオタク」の基準が個人個人でいかに違っているのかを端的にあらわしていると思う。 では、オタクを自称する時、人々は何をもって「俺はオタクだ」「私はオタクです」と定義づけているのだろうか?このテキストでは、その千差万別な「自称オタク基準」について幾つかの類型を紹介してみる。 基準1.何かのジャンルが好