「現在のシステムは、以前に米国で聞いた講義がヒントになっているんですよ」。こんなエピソードを語ってくれたのは、セイコーインスツルの西田眞生CIO(情報システム戦略統括)である。 西田氏は1993年に、米スタンフォード大学でジェフリー・フェファー氏の講義を受けた。フェファー氏は現在、経営大学院教授を務めており、組織行動論を研究している。このときの講義内容は、大まかに以下のようなものであるという。記者の理解が足りない部分もあると思うが、ご容赦いただきたい。 ・企業がどのように意思決定を進めるかは、その企業が持つ“文化”に基づく ・情報システムは、その企業のビジネスや組織の変化、競合他社の変化、市場の変化、システム技術の変化といった“環境”に大きく左右される ・企業文化に基づく意思決定の仕組みと、企業環境に左右される情報システムは、本来別個に管理されるべきものである。ところが現状では、これらが事