ヴァン・ダインの「二十則」 (1)凡ての手掛りは少しも隠すことなく読者に示されなければならぬ。 (2)作中犯人が行うトリック以外に作者が読者にトリックを使ってはならぬ。 (3)作中に大きな恋愛興味を取入れてはならぬ。 (4)探偵が犯人だったという解決はいけない。 (5)偶然の発見や犯人の自白によって解決してはいけない。 (6)必ず探偵の役目を勤める人物が登場し、その人の推理によって事件が解決されなければならぬ。 (7)殺人事件が望ましい。それより軽い犯罪では長編を読ませる力が生じない。 (8)心霊術、読心術、水晶体凝視、自動手記などの迷信やお告げによって解決されてはならない。 (9)主人公探偵は一人がよい。そうでないと、読者はリレーのチームを相手にして(こちらは一人で)競争しているようなアンフェアを感じる。 (10)犯人は相当重要な最初からの登場人物の一人でなければいけな