もうすぐ終わろうとしている小泉首相の評価が、政治の歴史を研究している人たちのいいエサになろうとしている。吉田茂や池田勇人を超えるとは思わないが、田中角栄と同じくらい、後の時代を拘束するぐらいの存在になるだろう。 その小泉首相がいくつかのきわどい言葉を残していることがわかってきている。1つは規制改革会議で「証拠が残らないように議論してほしい」と言ったこと。そのためこの委員会は議事録がない。透明性や参加の平等に拘った小泉政権では珍しい政策決定スタイルだ。そのほころびが今、出始めている。 もう1つは、「増税してくれというまで歳出を削れ」という発言。小泉さんの進める小さな政府の本質を言っている。トータルパッケージで役に立つ政府を提示することなしに、帳尻あわせをギリギリやって国民との我慢比べの中で、適切な財政規模を決めようというのは、あまり豊かな国民国家の像ではなさそうだ。私は小泉さんの云うところの